冨永泰雄
tominaga,yasuo
<fresco>

平成20年2月4日〜2月24日
冨永泰雄(とみながやすお)
山梨県在住

1960年   札幌市生まれ
1983年   東京芸術大学油画科卒業
1985年   東京芸術大学大学院壁画研究科修了
現在 東京芸術大学壁画研究室非常勤講師

個 展
1985年   小野画廊(銀座)
1988年   ギャラリーなつか(銀座)
1990年   ギャラリーなつか(銀座)
1991年   INAXギャラリー(京橋)(札幌)
1991年   日本橋高島屋インテリアギャラリー
1992年   四国電力総合研究所ホール(高松)
1993年   浅川画廊(山梨)
1996年   リゾナーレ小淵沢(山梨)
1998年   三彩堂(山梨)
2002年   ギャラリー蔵(山梨)
2003年   ギャラリー折々(山梨)・・・他


グループ展、その他個 展
1986年   SEVEN WORKS EXHIBITION
         (埼玉県立美術館)
1987年   ウォールアート展(青山ベルコモンズ)
1988年   フレスコ・ヌーヴォ展(朝日生命ギャラリー)
1989、’90、’91、’93  フレスコ・ヌーヴォ展(望月画廊)
1993年   「浮遊する輪郭}展(世田谷美術館)
1994年〜98年
         「第6回〜第8回山梨新進作家選抜展」
         (山梨県立美術館)
1998年   「第8回山梨新進作家選抜展」美術館賞
1998年   「アートの豊さ」展 浅川画廊(山梨)
2001年   「表層」展 ギャラリーギャラクシー(山梨)・・他
2006年   「東京芸術大学油画学科教官展・「サマーショー」」
         (日本橋三越)
    主なアートワーク
    1989年   オカムラ製作所(赤坂)
    1991年   「ロイヤルリゾート志賀高原」(長野)
    1992年   牛込キリスト教会(渋谷区)
    1994年   「聖路可レジデンス」(東京都中央区)
    1995年   「信越郵便局 研修所」(長野市)
    1997年   「東京都台東区 区立健康センター」(台東区)
    1999年   那覇空港JAL VIPラウンジ フロント
    2003年   「小樽浪漫館」(小樽市)
    2005年   「松江市立病院」(島根県松江市)
    2007年   「ミッドランドスクエア」トヨタ・毎日ビルディング(名古屋JR駅前)・・・他

    設計デザイン
    2001年   「上方浮世絵館」(大阪ミナミ法善寺前)
    2003年   「草木染めショップ・マザーアース麻布店」
    2006年   「ギャラリーアビアント」(小淵沢)
    2007年   「美容室クープ」(鎌倉市)
    2007年   「T氏邸」(山梨県北杜市)

    〒408−0313
    山梨県北杜市白州町横手1620−279
    tel・fax 0551−35−4213、mobile 090−1849−9066         


「久しぶりの札幌での個展です。現在、山梨県に在住しておりますが私の原風景は北海道の大地と感じています。
今回は主にフレスコの立体作品。自然界の形をモチーフにした漆喰による表現です。」
冨永泰雄

エントランスアートでは初めてのフレスコ作品。教会の天井画などで見る機会は多いが、立体作品を近くで見る機会はあまりないような気がする。また、その制作方法や他の絵画や彫刻との制作上の違いなどについてほとんど知られていないようだ。漆喰が乾かないうちに顔料を水で溶いただけの絵具で一気に書き上げなければならない。従ってコンセプトを創って制作すると言うより、手を動かしている内に生命感のある形を自然に創っていくのが彼の制作スタイルなのだそうだ。
普段は建築物と一体となった作品を手掛けることが多く、今回のような独立した立体作品はあまり制作していないとのことで、それだけに壁に取り付けた作品は壁との一体感を出すため、壁と作品の間に隙間を出さない細かな工夫にこだわりが見られる。
会場には、フレスコ画の技法について解説文を表示している。とても参考になるので掲載した。

「飛行種」
楓の種が割れ飛んでいる様子をイメージ

「飛行種」の大きさを想像してください


「成長点・ヒカゲヘゴ」

「原形」

「二つの螺旋形」

「Animal pole・水鳥」

「Animal pole・鳥」

「Animal pole・馬」

FRESCO
 フレスコ画という技法は、3500年以上も前より発達し、ポンペイの壁画、アッシジのフランチェスカ聖堂など、そしてルネッサンス期に最盛期を迎えました。バチカン市国のシステイナ礼拝堂に描かれているミケランジェロの「最後の審判」などの壮大なフレスコ画に見られるように今もなお当時のままの鮮やかな色彩を残しています。
フレスコ(Fresco)という言葉はイタリア語で「新鮮な」と言う意味で英語のFreshにあたります。
石積みの建築内壁に塗る漆喰の壁。この仕上げの層に絵を描く技法です。大きな特徴は漆喰壁がまだ生乾きのうちに顔料を水だけで溶いて描くという技法です。油絵や日本画、アクリル画などほとんどの絵画はメディウム(油、膠、アクリル樹脂など)を顔料に混ぜたもので描く方法であり、顔料を接着剤でキャンバスや紙に定着させるものです。
フレスコ画はその材料である石灰モルタルが水、砂、消石灰からなりたっていて、その石灰モルタルの硬化作用により、描画層も定着し安定します。その時、石灰モルタルの石灰分(ガラス質)が表面から覆うように硬化していきます。したがって一旦塗ったその石灰モルタルが硬化しないうちに描画を完成しなければなりません。フレスコ画は石灰モルタルを画面に塗ってから約10時間あまりで仕上げなければならない、また大画面であると部分的に仕上げて大画面を完成させるという構成力も必要とされ、技術的に難しい技法です。
私が制作を続けているものはこのフレスコの技法を用いた立体やレリーフです。
また「磨き」という鏝や素手などで磨き光沢を出すという技法を使っています。これはフレスコにもありますが私の方法は日本の漆喰磨きに影響を受けたものです。
 私は東京芸大大学院の壁画研究室にて本格的にフレスコの制作を始めました。油絵科に入学しましたが油の質にどうしても馴染めず、水彩画ばかり描いていました。フレスコ画に移行したのもフレスコ画が水を媒体としていたことが大きな要因です。
制作していくにあたり大きな問題は重いということでした。壁面に直にモルタルを塗る場合は良いのですが、移動を考える場合パネル状にしなくてはなりません。このパネルはモルタル塗りの左官技術にも耐えうる堅牢なもの、また重量もなるべく軽量なものを考えなくてはなりません。また、作品の仕上げ以前に左官的問題(割れ、亀裂、剥離など)が無いように左官技術を磨かなくてはいけないことです。このような問題を解決しつつ制作を続けてきました。
 私の制作活動は主に建築空間に作品設置する。その空間がどのようなものでどのような人々が集うかなど様々な要素を考慮して制作しています。
今回のこの個展の作品は壁画展示のものより立体作品を多く出品しました。ほとんど新作です。立体作品はあまり制作していませんので自分にとって新鮮なものになっています。それぞれの作品に関連性はないですが種子、発芽、貝、動物の頭部、・・・自然界のフォルムの一部を用いて形作りました。内在する生命のエネルギーを感じていただければと思います。
冨永泰雄


ライトボックス前の作品

「種子・原型」

エレベーターホール付近の作品

ホール階段踊り場と作品

「Seed」
「種子・原型」は、漆喰に絵具で描いた他の作品とは異なり細かなタイルを貼った作品。
黒い壁をバックの作品は「Animal pole・水鳥」。
Animal poleシリーズは他に2点あり作品名とは別にいろいろと想像をたくましくさせてくれる。

エスニックな作品が雪の街に春を告げる

「Spiral wind」

「海の記憶」

「穏やかな凹み」

2階への階段壁面の作品
左の「穏やかな凹み」には、写真には表れていない繊細な模様がびっしりと書き込まれている。漆喰の乾かないうちに描き上げるエネルギーを想像して見るとすごさが分かる。

作品展示中の風景
笹野前札幌芸術の森美術館長、建築家伊達氏と談笑の冨永さん(左端) 冨永さん、はるばる山梨からRV車で作品と一緒に来札。


エントランスアート
トップへ